エッセイ

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性転換手術と刑法に関する一考察 稲田朗子

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1995年 5 月22日,埼玉医科大学倫理委員会に「性転換治療の臨床的研究」(主任研究者:原科孝雄)と題する実施申請がなされた。

埼玉医科大学倫理委員会は審議の後,1996年 7 月 2 日に石田正統学長に答申書を提出した。

本答申は, 外科的性転換治療を行うにはいまだ環境が整っていないので,環境整備等なされた後,改めて倫理委員会で審議するというものであり,性転換治療実施に道を拓くものと認識された。

この答申を受けて,日本精神神経学会・性同一性障害に関する特別委員会は,1997年 5 月28日付「性同一性障害に関する答申と提言」のなかで「性同一性障害の診断と治療のガイドライン」を公表した 。

そして1998年10月16日,埼玉医科大学総合医療センターにおいて,日本国内で初め て公式の性別適合手術(性転換手術)が実施された。

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